東御市 窪田俊介
2018年の1月号に同僚の平林千秋・東御市議が執筆して、原稿依頼から逃れられてよかったと思っていたら、依頼を戴いてしまいました。イチロー選手みたいに「人生の幕を下ろした時に頂けるように励みます」とか言って原稿を断れなかったのが残念です。
酒井利忠さん、山崎美喜子さん、小山義明さんから受け継いだ議席も、6年半を過ぎようとしています。昨年、県知事選挙をたたかった金井忠一さんは「議員生活をしていてはダメだ。議員活動をしなくちゃダメだ。」と我々を叱咤激励してくださいます。耳が痛い今日この頃です。
自己紹介
東御市は、東部町と北御牧村が2004年に合併した、人口3万人弱の市です。
旧北御牧村は、オウム真理教の関連施設を住民運動で退けた村です。私が96年12月に上田市から移住した時期は、消防団が連日夜警をしていました。工場勤めで日光に弱かった私は、鯖を喰って当ったような青白い顔色でした。不審者扱いされないように、消防団に入って地域の繋がりをつくり、今も現役です。駄文はこのぐらいにして、この間の取り組みなどを書き留めます。
学校納入金と就学援助
消防団でつながる子育て世代のために何か出来ないかと、16年3月に学費負担について議会で取り上げました。
長野県の「学校納入金調査」のデータを基に、県内19市を経年比較しました。給食費、遠足・修学旅行費、生徒会・学級会費などの「学校徴収金」は、小学生一人あたり年間約8万円、中学生は約12万円になります。兄弟がいればその数を乗じた負担になります。負担額をランキングしたところ、東御市は上位でした。
徴収金の5割以上を給食費が占めます。東御市は自校式給食を維持しており、センター方式の自治体に比べると、負担が大きくなっていました。地産地消の自校式だからこそ、どの子も安心して食べてほしい。それらも含めて給食の無償化を訴えました。引き続き要求していきます。
また、消費税が子育て世帯の負担を増しています。5%から8%への税率引上げで、教材業者が値上げせざるを得なくなり、就学旅行先の値上りも徴収金全体を上昇させました。
他市との比較や子育て世代の声をもとに支援拡充を求めた結果、小さな改善も進みました。要保護・準要保護世帯への給食費補助が5割だったところを、他市並みに全額補助にできました。また、就学準備金の就学前支給も2017年から開始しました。僅かな改善ですが、ひとり親世帯の保護者から喜びの声を聞くことができました。
民報を伝手に相談
市議団の民報には「困り事、なんでもご相談ください」という文言を載せています。2月に、それを見て生活相談がありました。
相談内容は「80代の母と50代独身の兄が同居。兄が離職して、収入は母の年金だけ。入院していた母が来月退院するが、自宅で介護できる環境ではない。娘のわたしは嫁ぎ先の両親を介護していて受け入れられない。どうしたらいいか?」というもの。「藁にもすがる思いで電話した」そうです。
包括ケアと福祉援護の各担当者に連絡を取り、相談体制をつくりました。全ては解決していませんが、困窮が隠れてしまわずに済んだのではないか、と思います。
最近「8050」とか言われるこの手の相談は、今後増えます。私にとっては「明日は我が身」です。若年層の住宅施策や、大げさに言えば、最期まで自分らしく生きられる社会の仕組み作りは、我が事として取り組みたいテーマのです。
市役所の臨時職員から
3月、異動内示があった日、臨時職員からメールがきました。
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「また私は異動となりました。事前にわかっていたのですが、正規職員の退職の影響もあり、事務の臨職分の予算がなくなり、きちんと説明がないのに、異動をほのめかされ、最終的には『引き継ぎよろしく』と言われ、パソコン更新時には『来年度はあなたの分はない』と係員の前で何度も言われていたので、一時は本気で辞めようと思ってました」
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来年のウィンドウズ7・サポート終了に向けて、職場の端末更新が行われました。無駄な投資を強いられています。それは置いといて、20年4月施行の「会計年度任用職員」制度にむけて、臨時職員の使い捨てが問題です。続けて、ほぼ原文を載せます。
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「愚痴と思って聞き流してください。制度移行で、いろいろ聞いている中では、『常勤の臨職にボーナスを出さなければならなくなるため、常勤の臨職を7時間勤務にしていく』と聞いています。31年度の予算を計上する際、消費税増税に伴い予算が上がり、先ずは正職員の業務内容を精査し『臨職が必要なのかを検討してほしい』と話があったようです…(中略)…異動を小出しに言われて予算書を見たとき「毎年毎年異動で、モノのように扱われてる」と感じ、「働いているのは人間なのに」と思いました。上司からきちんとした説明もなく、内示前に『〇〇さん、ココにいるの?』と言われ『ココとは?』と聞き返したら『市役所』と。なので、一度は職安に行って登録もしてきました。でも、4月までに職を決めるには時間が無さすぎたのと、一番は子供の送迎や、体調不良の時に対応できるのかという不安でした。もう少し頑張ろうと思ったところです」
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今年は関連の条例改正がどこでも行われます。実態をつかみ、労働者の尊厳を守るためにがんばります。
姪っ子の豪州ホームステイ
高校の国際交流という専科に通う姪っ子が、カリキュラムとして豪州にホームステイしてきました。土産話が面白い。
「お世話になった家の人は、みんな15時には帰宅する。学校も、仕事もみんな終わって帰ってくる。海岸へ出かけて行ってバーベキューしたり、いろいろできた。友達がお世話になったおばあさんは、その子を連れてカジノへ出かけて、一時間ぐらい放置されたって…(笑)そのあと、なんかの演説会に連れて行かれたってさ」
「日本に居るの馬鹿らしくなるな?」と言うとまんざらでもない顔をしていました。姪っ子の親は苦笑いをしていましたが。
文字だらけになりましたが、給料をもらって議案の審議だけをする「議員生活」に陥らないよう、がんばりたいと思います。
以上
(更新日: 2019年05月22日)